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正人の読書日記

正人です。

本当は今日の担当ではないのですが、書きたいことがあるので投稿しやす。

モノカキにとって読書とは芸の肥やしです。
読む・書くのバランスが取れていなければ優れた作家になれません。
読んでばかりで執筆の修行をしなければ腕は上がりませんし、その逆もまた然り。

とはいえ作品の方も進めなければならないので、主に電車の中とかバイト前とか、手の開いている時間を利用して読むようにしております。
当たり前か。

さてこのトピックでは、ひよっこライターの正人が腕磨きのために読んだ本の感想をちくいち記していきたいと思います。
「こいつどんな本を読んでんのかな」ということがわかれば自分の作風傾向も掴みやすいんじゃないかと。
知りたいヒトなんてどうせいないだろうけどね!

というわけで最初の本は……

続き

「ギリシア棺の謎」 著/エラリー・クイーン 訳/井上勇 創元推理文庫刊


クイーンの著作の中で最大の長編と呼ばれる作品。
「エジプト十字架の謎」と同様にクイーンの著作の中でも名編と呼ばれています。

クイーンを読んだのはこれで5冊目。
X・Yの悲劇とエジプト十字架、シャム双生児ときて、今回のギリシア棺。
海外のミステリ作家はあまり読んだことがなかったので、せめて論理派の筆頭たるクイーンは読破しておかないと作家として恥ずかしいだろうと。
国名シリーズぐらいは全部読破しておきたいです。
何ヶ月先になるやら……。

内容としては、さすがに著者の最大長編だけあって重厚な謎解きが繰り広げられています。
二転三転する犯人像、理路整然すぎて芸術的とさえ呼べる論理、そして最後に待ち構えるどんでん返し。
どれをとっても一級品です。こっちの理解がおっつかないほどに。

ところどころウンチクが蒔かれているのはダインの影響なのかな。
確かどっちもアメリカの作家だったような。
日本の作家にフォロワーが多いのも大いに頷けます。
とにかく面白い。

国名シリーズは後7編。
じっくり味わっていきたいッス。