記事一覧

ウルベルクがUR-230は、ホリデーシーズンに合わせて極地仕様で登場する。

今週、ウルベルクはUR-230 イーグルの続編となるUR-230 ポラリスを発表した。UR-230 イーグルは、Cal.UR-7.30にタービンを組み込んだことで注目を集めたモデルである。一見すると、今回のUR-230 ポラリスは新しいカラーリングに見えるかもしれないが、それだけではない。

ムーブメントと時刻表示は非常にウルベルクらしい見た目をしている。象徴的な回転式サテライトコンプリケーションは、3本のアームを備えたカルーセルに回転するブロックを組み合わせ、ダイヤル上のミニッツトラックに沿って現在の時刻を示す仕組みだ。これは、伝統的なワンダリングアワー機構をより複雑に進化させたものと言える。レトログラード式の分針(現在の時刻をフレームで囲む針)が60分に到達すると、次のアームがミニッツトラックのゼロ地点に到達し、針が瞬時にスプリングバックしてそのアームをフレームで囲む。このダイナミックな動作がウルベルクならではの個性を際立たせている。

だが、カルティエスーパーコピー代引きそれだけでは十分ではなかった。UR-230の最大の特徴は、前述のタービンにある。これはアクティブなシーンで発生する衝撃から、時計を保護するための機構として設計されたものだ。裏蓋にあるふたつのノブのうちひとつは、ローターの作動を完全にオン/オフする役割を果たす。つまり理論上、ローターが過度に露出するような激しい環境、たとえば強いGフォースがかかる状況でも、この時計を使用できるというわけだ。もう一方のノブは時計内部に取り込む空気量を調整できる機構であり、ローターに対する可変式のエアブレーキのような役割を果たす。

44.8mm×53.55mmのケース形状は初代モデルと変わらず、DLC処理が施されたチタンとTPTカーボンの層を組み合わせた構造となっている。その無骨なフォルムはまさにウルベルクらしいものであり、台形のシルエットに加えてケース全体に施された数々の角や凹凸、細部の造形が特徴的だ。新たに登場したポラリスでは、保護カバーシールドが取り除かれ、産業的な趣を持つムーブメントが収まった大きなサファイアクリスタルが全面に姿を現した。メカニズム面では、Cal.UR-7.30を気密性の高いチャンバー内に封入し、空気の流入を厳密に制御することで、タービンがその機能を最大限に発揮できるようになっている。

このモデルで最も目を引く変化はそのカラーリングだが、これは単なる新しい塗装ではない。フェリックス・バウムガルトナー(Felix Baumgartner)氏とマーティン・フライ(Martin Frei)氏は、カーボンTPTから一歩進んだ新しい繊維ベースのセラミックを開発・追求した。従来のセラミックケースで見られる、ジルコニウム酸化物のような粉末を高圧成型し、焼結する手法とは異なるアプローチを選んだのだ。従来の粉末セラミックは非常に高い耐傷性を誇る一方で、非常にもろいという欠点があった。ホワイトカラーの時計を求める人々にとっては、コーティングされていないユニークなカラーを選ぶか、テーブルの角に当てて時計を割ってしまうリスクを受け入れるかというトレードオフが常に存在してきたのだ。だがウルベルクはここで妥協点を見つけたようだ。それはガラス繊維で強化された、織り込みセラミックシートの層を使用することだ。ブランドはこの素材の詳細を明らかにしていないが、推測するに、この独自素材はアルミノシリケート系耐火セラミック繊維で構成されている可能性が高い。

この新素材はカーボンファイバーシートに代わる巧妙な選択肢であり、オールホワイトの美しい外観を実現した。ケース内のガラス繊維を結合する樹脂が白い色調を生み出し、ガラス繊維自体はわずかに銀色を帯びているため、外装にメタリックな質感を与えている。見た目にも間違いなく印象的だ。ケースと、主にブラックのムーブメントおよびダイヤルとのコントラストが最大限に際立っている。この時計にはホワイトの加硫ラバーストラップと組み合わされ、全体として産業的かつ未来的な美学を一貫して表現している。

ウルベルク UR-230 ポラリスは35本限定で、価格は15万スイスフラン(日本円で約2575万円)である。

我々の考え
ウルベルクのホワイト系デザインは珍しい。思い浮かぶのは、2020年に登場したEMCタイムハンター “ストームトルーパー”のホワイトセラミックコーティングケースくらいだ。しかしセラミックコーティングは仕上げの長期的な耐久性を必ずしも保証するものではない。もしこの新しいセラミックとガラス繊維の複合素材が十分な耐久性を持つのであれば、ウルベルクがホワイトを今後のラインナップに積極的に取り入れる鍵となるかもしれない。ただしカーボンTPTと同様に、この素材が持つプラスチックのような質感が、潜在的なオーナーをためらわせる要因になるかもしれない。だがそのあたりの詳しい感想は、実際にポラリスを手に取ってからにしたいと思う。

ウルベルクの目を引く時刻表示の複雑機構は、依然としてほかにはない独自の存在感を放っている。しかし、このタービンが設計された過酷な環境にどれほどのオーナーが実際に時計をさらすのかは気になるところだ。特にこの時計の防水性能が30mに限られていることを考えるとなおさらである。結局のところ、このモデルはG.A.D.A.(どこでも何にでも対応する)ウォッチではない。個人的には、巻き上げローターを解除できる機能だけでも、より低価格帯のスポーツウォッチに採用されるのを見てみたいと思う。現時点でこの機能を提供しているブランドは、さらに高価格帯のリシャール・ミルくらいだろう。ウルベルクのよりシンプルなモデルにこの機能が導入されれば、気密チャンバーや制御された空気流入、タービンといった全力のクレイジーさから一歩引いた、手ごろな妥協点となるかもしれない。それにより、ブランド全体のコレクションにさらなる耐衝撃性をもたらすことも期待できるだろう。

基本情報
urwerk soldier shot
ブランド: ウルベルク(Urwerk)
モデル名: UR-230 ポラリス

直径: 幅44.81mm、長さ53.55mm
厚さ: 18.38mm
ケース素材: ホワイトセラミックのガラス繊維複合素材、チタン製ケースバック
文字盤: ブラック
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ホワイトラバーストラップ

ムーブメント情報
キャリバー: UR-7.30
機能: 時・分表示、ローター解除機能、可変式エアブレーキ
パワーリザーブ: 約48時間
巻き上げ方式: 自動巻き(手巻きも可能)
振動数: 2万8800振動/時
石数: 50

ウブロとサミュエル・ロス氏の最初のコラボレーションウォッチが発表された。

ウブロはアーティストでデザイナーでもあるサミュエル・ロス(Samuel Ross)氏と提携したトゥールビヨンウォッチのシリーズ第3弾となるビッグ・バン トゥールビヨン カーボン SR_A by サミュエル・ロスを発表した。ロス氏はファッションブランドであるア・コールド・ウォール(A-Cold-Wall*)や自身のデザインスタジオ、SR_Aの創設者として知られており、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の最初のデザインアシスタントを務めた経歴も持つ。ロス氏とウブロの関係の始まりは、2019年に遡る。この年にロス氏はウブロ デザイン プライズを受賞している。この賞はデザイン界で若く才能ある人物を発掘することを目的に、伝説的なジャン-クロード・ビバー(Jean-Claude Biver)氏が2015年に立ち上げた取り組みの一環である。

ウブロスーパーコピー代引きのデザインのなかでもとりわけエキセントリックかつ爆発的なデザインで、この第1弾はオレンジに彩られたインパクトのある作品だった。この限定モデルは50本のみ生産され、瞬く間に完売した。翌年には第2弾が登場。チタンを素材とし、鮮やかなグリーンがストラップにアクセントとして施された。そして今年、その第3弾となるモデルではブルーが基調色となり、さらにフロスト仕上げのグレーのカーボン素材が採用されている。

デザインの大部分は過去2モデルとほぼ同じである。このシリーズはロス氏とウブロが繰り返し試行錯誤し、洗練を重ねた結果生まれたものだ。そのため、外観においては初期コンセプトの形状がほぼそのまま保たれている。ケース径は44mm、厚さは13.75mmであり、インテグレーテッド型でクイックチェンジも可能なラバーストラップの際立ったデザインが手首を強調する。しかし、その見た目に反して非常に軽量である点も特徴的だ。

closeup of the carbon
ベゼルやムーブメントプレートなどの部品は異なる仕上げが施されたチタンで作られている一方、外装のシェル部分は前述のカーボン素材で構成されている。この素材の選択はデザインに非常にマッチしており、ケースの各所に独自のメタリックパターンを表現している。文字盤(その大部分が欠如しているが)には、自社製のHUB6035トゥールビヨンムーブメントが見られ、12時位置にマイクロローター、6時位置にトゥールビヨンケージが配置されている。時刻表示用のインデックスはサファイア製のセクションに支えられ、あたかも浮いているかのような印象を与える。また、ケースやバックプレートにはハニカム模様が施されており、このデザインはラバーストラップにも引き継がれている。さらにストラップのバックル部分には新たなデザインが採用されている点も特筆すべきポイントである。

ビッグ・バン トゥールビヨン カーボン SR_A by サミュエル・ロスは限定50本となっており、価格は1959万1000円(税込)である。

我々の考え
2022年、サミュエル・ロス氏による最初のトゥールビヨンウォッチが発表された時のことを今でも覚えている。ソーホーに設置されたポップアップストアはHODINKEEオフィスからわずか1ブロックの距離で、ランチの帰り道に偶然立ち寄った。外観は遠くからでもひと目でわかるほど鮮やかなオレンジ色に覆われ、入口の上部にはブランド名とデザイナーの名前が大きく掲げられていた。店内に入ると、オレンジ1色の部屋の中央でその時計がガラスケースに飾られて台座の上に置かれていた。時計に近づくにつれ、従来のビッグ・バンやクラシック・フュージョンとはまったく異なる新鮮な感覚を覚えた。それはまるでコンセプトカーを見るような体験だった。

マイアミでこの新作を直接チェックすることができた。クールだった。

マイアミで開催されたアートバーゼル2024で、ビッグ・バン トゥールビヨン カーボン SR_A by サミュエル・ロスはふさわしい形式で発表された。このイベントに同行する機会があり、サミュエル・ロス氏と直接話をすることで、このパートナーシップについてより深く理解しようと試みた。ウブロは長期的なパートナーシップやコラボレーションにおいて定評があるブランドだ。なかでも村上 隆氏との関係は、間違いなく最も有名で成功した例のひとつであり、それについては同僚のマライカも同意するところだろう。しかしサミュエル・ロス氏の名前は、それとは異なり、よりニッチでメインストリームから外れた領域に属している。ロス氏とウブロの関係は非常に相互的かつ想像以上に密接であるようだ。ロス氏はスイスのチームと共にデザインプロセスのすべての段階に関与してきたと語る。私はロンドンを拠点とするデザイナーがコンセプトやスケッチをスイスに送信し、現地のチームがそれを引き継ぐという光景を、ある意味で無邪気に想像していた。しかし実際にはロス氏がかなりの時間をスイスで費やし、デザインに深く関与しているという非常に異なる現実があった。

ロス氏はナイキやアップル(Beatsのプロダクトデザインを手がけた)といったパートナーとの仕事を通じて、ウブロとのコラボレーションでどのようにアイデアを忠実に具現化するかを学んだという。どの部分に力を入れ、どこで妥協するべきか、そのバランス感覚を身につけたそうだ。より実務的な観点では、最初の時計を製作する段階でコンセプトを明確に定義したことで、以降のリソースを改良や洗練に割り当てられるようになった。彼は“3.0”で採用された新しいバックルのデザインについて、多くの人には気づかれないだろうが、形状、寸法、フォントの配置をわずかに変更しただけでもメーカーとしては新しい(そしておそらく高価な)工具が必要になったと語っている。この話から、多くの大手時計ブランドがブレスレットやバックルのようなパーツの改良に時間を要する理由が理解できる。理論的には簡単に思えるが、最終的に収支のバランスシート上でその正当性を証明することが、プロセスの停滞を招く原因なのかもしれない。

さて、時計に話を戻そう。先述したようにSR_Aとのコラボレーションは、ウブロにとってコンセプトカーのような存在だ。自社製トゥールビヨンムーブメントはブランドの前衛的なコンセプトを体現するのに適しており、このケースデザインのアバンギャルドな性質にも非常によく合っている。3バージョン目となる今回でも、デザインは依然として新鮮さを保っていると感じるし、ロス氏がブランドと共に新しいアイデアや素材を探求している点も、この時計の魅力のひとつだ。これらの試みが将来的にはより手ごろなモデルにも応用されることを期待している。

ウブロの最大の強みのひとつは、多くの時計コレクターに批判されることがあっても自分たちのやり方を貫き、業界内で独自性を保っている点だろう。この時計もその哲学を体現している。もし私が今15万ドル(日本円で約2300万円)を持っていたとしても、この時計を購入するかと聞かれれば答えはNOだ。しかしそれは重要ではない。これまでのふたつのモデルは完売しており、今回のバージョンも同様の結果になるだろう。時計ブランドが時計を売ることを責められる筋合いはないのだ。

基本情報
side shot of watch
ブランド: ウブロ(Hublot)
モデル名: ビッグ・バン トゥールビヨン カーボン SR_A by サミュエル・ロス
型番: 428.NQ.0100.RX.SRA24

直径: 44mm
厚さ: 13.75mm
ケース素材: チタン、フロスト加工を施したグレーカーボン
文字盤色: グレー、およびサファイア
インデックス: アプライド
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ダークブルーのラバーストラップ(交換用としてブラックのラバーストラップ)

ムーブメント情報
キャリバー: 自社製キャリバー HUB6035
機能: 時・分表示、トゥールビヨン、マイクロローター
パワーリザーブ: 約72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 26

スイスの“国民的時計”ティソが、光をエネルギーに変えて駆動し続けるPRC 100 ソーラーを発表した。

サファイアガラスの下に秘められた“光の心臓部”とともに、次世代のティソのビジョンをティソCEOであるシルヴァン・ドラ氏に聞いた。

ル・ロックルで創業したティソは170年以上も続く伝統的なブランド。スイス国旗をあしらったロゴを掲げるその姿は、“国民的時計”と称されるほど広く知られている。そんな伝統の一方で、1930年代には耐磁時計を、21世紀の幕開けにはT-タッチを、そして近年ではT-タッチ コネクトを発表するなど、常に新たなテクノロジーを時計造りに取り入れてきた。そしてその革新性の最新のかたちが、今年3月に日本で発売されたばかりの“PRC 100 ソーラー”である。クラシックな意匠に、次世代のソーラーテクノロジーを組み合わせた新作だ。ロレックススーパーコピー代引き 届けい本稿はティソのCEOであるシルヴァン・ドラ氏に話を聞きながら、PRC 100 ソーラーに込められた思想とそれが示すブランドの未来像について掘り下げていく。

初代ティソ PRC 100とは

2005年に登場したティソ PRC 100。

ベースとなったPRC 100は、2000年代初頭に登場したティソのクラシックラインで、当時のブランドが若年層への訴求を強めるなかで打ち出した意欲的なコレクションだった。PRC 100は、1980年代のPR 100をルーツに、2000年代初頭に誕生したクラシックラインだ。“Precision(高精度)”と“Robustness(堅牢性)”を受け継ぎつつ“Classic(クラシック)”の頭文字を冠し、ティソらしいクラシックな佇まいとスポーティさを両立したことで人気を集めた。今回、ソーラー新作のベースに選ばれたのは、PRC 100が時代とともに進化してきたからこそ。“ライトマスター ソーラー テクノロジー”という革新を受け入れるにふさわしい存在だった。

今回の新作はそのPRC 100を再解釈し、現代的なスペックと審美性を与えたものだ。ケース径はすべて39mmで、文字盤はシルバー、ブルー、ブラックの3色展開。いずれもサンレイ仕上げが施され、ステンレススティール製のブレスレットにはシルバーのほかPVDコーティングのブラックも用意している。また、レザーストラップ仕様も2種類あり、シルバー文字盤にはブラウンストラップ、ブラック文字盤には同色のブラックストラップが組み合わされている。

「4年前、スウォッチグループとして、T-タッチ コネクトの製造ラインを含む、完全に新設計の工場を立ち上げる機会がありました。エンジニアも工員も、特許も工作機械もすべて揃っていて、自然と新しいアイデアであるソーラー駆動でワインディング不要の時計が湧いてきたんです。しかし最先端のテクノロジーを用いながら、本当にクラシックで、伝統的な時計づくりの精神を感じさせるような審美的なモデルは、それまで存在していませんでした。そこで私たちは、1980年代に誕生し、2005年にリデザインされた“PRCコレクション”を振り返ってみることにしました。オリジナルから着想を得て、新しいテクノロジーを注ぎ込み、今日らしい新鮮味を与えたエモーショナルな時計に仕立てたかったのです」

クラシックな顔をしたソーラーの心臓部

T-タッチ コネクトコレクションに採用されているソーラー発電システム。

実は、ティソがソーラーエネルギーを活用した時計を開発するのは、今回が初めてではない。T-タッチ コネクトコレクションにおいて、これまでも独自のアプローチを試みてきた。今回のPRC 100 ソーラーでは、そうした技術的蓄積を生かしながら、ケース径39mm、厚さ9.22mmという扱いやすいサイズ感に落とし込んでいる。外観はあくまでクラシックで、機械式時計と見紛うような佇まいだが、その内部では確かに電気が生まれている。

ティソ PRC 100 ソーラー Ref.T151.422.36.051.00。6万8750円(税込)。

ブラックPVDコーティングSSケース、レザーストラップ。ケース径39mm、厚さ9.22mm。10気圧防水。スイス製クォーツ式、ソーラー充電。

その仕組みは、サファイアガラスの下に隠されたハニカム構造のアモルファス・ソーラーセル(非結晶シリコンを用いた薄膜型の太陽電池)によるものだ。ラミネート技術によってサファイアガラスに圧着されたセルから、ベゼル内側に配されたコネクターを経てムーブメントへと電力を供給している。目を凝らすか、ルーペで拡大しない限りパターンはほとんど見えず、視覚的には透明に近い。針がやや高めの位置にセットされていることもあり、ダイヤルには奥行きが生まれ、質感はきわめて豊かだ。時刻を読むたび、その深みある表情を堪能できるだろう。ストラップ幅は20mmで、もちろん交換も可能。スタイルに応じて着せ替える楽しさも用意されている。

「従来の時計では、ソーラーセルは文字盤の下に配置しなければならず、その場合は透過性のあるプラスチック素材のダイヤルで覆うしかありませんでした。ただこのやり方では時計がどうしても分厚くなってしまう。さらに、伝統的な時計製造に用いられる金属文字盤を採用し、サンレイ加工を施すことも難しかった。またマザー・オブ・パールを使うことや、ダイヤモンドを取り入れるという選択肢すら制限されてしまうんです」。だからこそ、審美性やデザインの自由度を損なわない、新しいテクノロジーが必要だったと強調するシルヴァン・ドラCEO。そして導き出された答えが、“サファイアガラスの下にアモルファス・ソーラーセルを組み込む”という方法であった。

ちなみにムーブメント自体は月差+3秒の精度を誇るスイス製、ご存じスウォッチ グループ傘下のETAによるクォーツムーブメントだ。これを動かすのは、ゼンマイが蓄えた物理的なエネルギーではない。光を電気に変換し、それをアキュムレーターと呼ばれる二次電池に蓄電。その電力によって、調速と駆動のすべてを担う。この仕組みこそ、ティソが“ライトマスター ソーラー テクノロジー”と呼ぶものである。アキュムレーターの容量は2.3V/7.7mAh。フルチャージされた状態であれば、暗所でも14カ月にわたって連続稼働が可能だ。さらに24時間の駆動力を、曇りの日の屋外の光(5000ルクス程度)であってもわずか10分の受光で、晴天時の強い日光であれば1分で確保できるという、きわめて高い充電効率も魅力のひとつである。

ティソが見つめる、スイス時計の未来

スイス、ル・ロックルにあるティソの本社。

「工場は、ル・ロックルにあるティソ本社のすぐ隣にあります。近くには、文字盤を手がけるRubattel & Weyermann(スウォッチ グループ傘下)や、針を製造するUniverso(同グループ傘下)といった部品メーカーもあります。その一角に“ファクトリー・イン・ファクトリー”というかたちで、ソーラーテクノロジー専用の製造体制を構築しました。ここではT-タッチ コネクト スポーツやライトマスター ソーラームーブメント、さらには将来のプロジェクトまでを見据えた生産体制を整えています」。この取り組みからは、単なる新技術の導入にとどまらず、ティソを軸にスウォッチ グループ全体の生産ロジスティクスが着実に最適化されている様子が見て取れる。

左が従来のサファイアガラスで、右がティソ PRC 100 ソーラーのサファイアガラス。よく見るとハニカム状のセルがあるのが分かる。

新作の美点は最先端のテクノロジーの恩恵に俗しつつ、クラシックな審美性をいまの時代にふさわしいかたちでアップデートしている点にある。美しい金属文字盤と針の立体感によって、外観は機械式時計と見紛うほどの質感を備えている。一方で、最新の設備を備えた工場では、カーボンネットゼロがすでに達成されており、生産工程でも、太陽光を駆動エネルギーとする時計本体でも、環境負荷は限りなくゼロに近い。

「この透明なソーラーテクノロジーは、一般家電やスマートフォンなどではすでに試されていたと思います。ただ私の知る限り、スイスの伝統的な時計にこれを取り入れたのは初めてでしょう。スイスを定義する言葉は3つ。ひとつは“伝統”、もうひとつは“革新”。これらふたつは多くの人がすぐに挙げるものですが、私があえて強調したいのは3つ目、“パッション”です。伝統はスイスの外に出ると、より強くその価値が感じられます。そして、そこから生まれる革新も非常に重要です。ただ、それを動かす原動力になるのがパッションです。ホッケーの試合やプロダクト開発の会議に立ち会えば、スイスのチームには確かにパッションがあることが、よく分かるんですよ」

ティソが今回のソーラーテクノロジーを他ジャンルへ展開する予定は、今のところない。あくまで“時計のための技術”として、この革新は時計づくりのなかで完結しているという。その姿勢は、ティソがどこまでも“時計ブランドであること”に誇りを持ち、また外部に頼ることなく、自社で開発・生産を行うという強い独立性にもつながっている。今回のPRC 100 ソーラーも、ETAによるムーブメント製造とニヴァロックス製のソーラーセルによって支えられており、その全体像はあくまでグループ内で完結しているのだ。

そして、このソーラーテクノロジーを今後どう展開していくのかについても、ティソはすでに明確な戦略を描いている。単発のプロジェクトではなく、ファクトリーを建設し、5年単位の計画でモジュールやムーブメントの開発を継続していく構えだ。すでにこの技術は、新しいプロダクトのベースとして位置づけられつつあり、今後さらなる広がりが期待されている。

たとえば、PRC 100 ソーラーの34mmモデルも今年6月に追加される予定で、既存の39mmモデルに対してわずかに薄型化される(厚さは9.18mm)。よりユニセックスで、パートナーとペアでつけたり、シェアもしやすいサイズ感は、コレクション全体に新たなバランスをもたらすだろう。

ソーラーテクノロジーが時計というプロダクトのなかでどのように深化していくのか。その中心に、今後もティソの存在があり続けることは間違いない。

ブランドを代表する複雑機構が、手の届く価格帯のままより小型化して再登場した。

フレデリック・コンスタントのパーペチュアルカレンダーは、機械式永久カレンダーモデルとしては最も手ごろな価格帯の1本として知られている。ハイライフコレクションであれクラシックコレクションであれ、このモデルはその他の同価格帯ブランドにとって比較基準であり続けてきた。そして今回、フレデリック・コンスタントはパーペチュアルカレンダーにまったく新しいムーブメントを搭載し、スーパーコピー 代引きケース径を40mmにサイズダウンした新作クラシック パーペチュアルカレンダー マニュファクチュールとして復活させた。

リニューアルモデルは、直径40mm、厚さ12.1mmのステンレススティール(SS)製ケースを採用。内部には自動巻きの自社製パーペチュアルカレンダームーブメント、Cal.FC-776を搭載している。このムーブメントは72時間のパワーリザーブを備え、ベーシックなペルラージュ仕上げとサーキュラー・コート・ド・ジュネーブ装飾が施されており、シースルーのケースバックからその様子を鑑賞することができる。仕上げ自体は最高級とは言えないものの、時・分表示、ムーンフェイズ、日付・曜日・月・うるう年表示といった複雑機構を網羅しており、加えてサーモンカラーのサンレイダイヤルも魅力的だ。何より価格設定は依然として競争力が高く、市場でも屈指のバリューを提供する1本と言える。本モデルは、2025年秋に165万円(税込)で発売される予定だ。

我々の考え
先日発表された小径のワールドタイマーに続き、今回新しく小径のパーペチュアルカレンダーが加わったことで、フレデリック・コンスタントはますます波に乗っているように見える。彼らが最も得意とする分野、つまり複雑機構を搭載したモデルからムーンフェイズ付きのシンプルなクォーツウォッチに至るまで、魅力的で実用的、かつ価格面でも手の届きやすい時計を着実に作り続けている印象である。

ある意味では、少しほっとする展開でもある。というのも近年のフレデリック・コンスタントは、418万円(税込)のゴールド製や854万7000円(税込)のプラチナ製トゥールビヨン、495万円(税込)のホワイトゴールド×マラカイト文字盤など、高額路線に踏み出していた時期があったからだ。どれも魅力的なモデルばかりであったが、そうした価格帯に市場がどこまで応えるのかには疑問が残った。フレデリック・コンスタントに対して顧客が求めているのはやはり“手ごろさ”であり、それはブランド自身もよく理解している。価格も165万円(税込)と、税抜でギリギリ“1万ドル”程度に設定されているのは偶然ではないだろう。近いうちに、この時計を実機で見るのが楽しみである。

基本情報
ブランド: フレデリック・コンスタント(Frederique Constant)
モデル名: クラシック パーペチュアルカレンダー マニュファクチュール
型番: FC-776SAL3H6

直径: 40mm
厚さ: 12.1mm
ケース素材: SS
文字盤色: サーモンカラーのサンレイダイヤル
インデックス: シルバーカラーのアプライドインデックス(ダイヤモンドカット)
夜光: なし
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: ダークブラウンのアリゲーターレザーストラップ(同色ステッチ入り)、フォールディングバックル付き

フレデリック・コンスタントの自社製Cal.FC-776。

ムーブメント情報
キャリバー: 自社製キャリバー FC-776
機能: 時・分表示、ムーンフェイズ、日付・曜日・月・閏年表示
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 26
クロノメーター認定: なし
追加情報: ペルラージュ仕上げおよびサーキュラー・コート・ド・ジュネーブ装飾

SK-II「スキンパワー シリーズ」が進化

SK-II(エスケーツー)から新しいスキンケア シリーズ「スキンパワー リニュー」が、2025年秋誕生。2025年9月20日(土)より全国のSK-IIカウンターほかで発売をスタートする。

SK-II スキンパワー リニュー エアリークリーム 50g 18,700円、80g 26,730円
若い女性の肌研究から生まれた“新発想”のスキンケア シリーズ「スキンパワー」。この人気シリーズが新しい肌研究によって進化を遂げる。

エルメススーパーコピー代引き着目したのは「フックプロテイン」と呼ばれるハリの源。肌を全方位から動的に研究する新しい方法によって、頬の上部の変化が顔の下半分に影響を与える“独自のハリの方程式”を発見した。

ハリ着目のスキンケア「スキンパワー リニュー」誕生
SK-II スキンパワー リニュー クリーム 50g 18,700円、80g 26,730円
SK-II スキンパワー リニュー クリーム 50g 18,700円、80g 26,730円
新スキンケア シリーズ「スキンパワー リニュー」に起用したのは、SK-IIの顔と言える独自成分ピテラ(※1)と、ハリ感を高めてくれるシャクヤクエキス(※2)、そして新登場となるクマル酸(※3)の3つの成分だ。クマル酸は、ピテラと共に配合することで、肌を整えながら、ふっくらとしたハリを与えてくれるという。

“質感選べる”2つのハリクリーム
SK-II スキンパワー リニュー エアリークリーム 50g 18,700円、80g 26,730円
SK-II スキンパワー リニュー エアリークリーム 50g 18,700円、80g 26,730円
「スキンパワー リニュー」シリーズからは4つの製品がラインナップ。スキンケアの締めとなるクリームは2つのテクスチャーを提案する。こっくりなめらかな「クリーム」とふんわり軽やかな「エアリークリーム」を用意。どちらも塗布後の後肌はべたつかず、使用感が心地よい。ハリにアプローチして、ふっくらとした印象に仕上げてくれる。

スキンケア浸透感UPの導入美容液
SK-II スキンパワー リニュー エッセンス 30ml 18,150円、50ml 26,950円、75ml 35,750円
SK-II スキンパワー リニュー エッセンス 30ml 18,150円、50ml 26,950円、75ml 35,750円
また、SK-IIのエイジングケア シリーズ初となる導入美容液「SK-II スキンパワー リニュー エッセンス」も登場。洗顔後にプラスすることで、次に使うスキンケア製品の浸透感を高めてくれる。「スキンパワー リニュー」シリーズをライン使いするのはもちろん、いつものケアにこれ1本プラスするだけで、ハリケアできるというのも嬉しいポイントだ。

目元ケアのアイクリーム
SK-II スキンパワー アイ プラス ライン フィラー クリーム 15g 15,400円
SK-II スキンパワー アイ プラス ライン フィラー クリーム 15g 15,400円
「SK-II スキンパワー アイ プラス ライン フィラー クリーム」は、目元ケアに特化したアイ クリーム。目元にハリ・うるおいをもたらして、乾燥による小じわを目立たなくケアしてくれる。初めてエイジングケアをする人にもおすすめなスターターアイテムとなっている。

数量限定スキンケアキットも
SK-II スキンパワー リニュー/エアリー クリーム トライアルキット 18,700円<数量限定発売>
SK-II スキンパワー リニュー/エアリー クリーム トライアルキット 18,700円<数量限定発売>
SK-IIは、新スキンケア シリーズ「スキンパワー リニュー」のデビューを記念して、トライアルキットを数量限定発売。「スキンパワー リニュー」のクリーム50g“現品サイズ”に、「ピテラ エッセンス」と「スキンパワー アイ プラス ライン フィラークリーム」がセットになったお得なキットとなっている。

【詳細】
SK-II「スキンパワー リニュー」
発売日:2025年9月20日(土)
取扱店舗:全国のSK-IIカウンターおよびオンラインストア
・SK-II スキンパワー リニュー クリーム 50g 18,700円、80g 26,730円
・SK-II スキンパワー リニュー エアリークリーム 50g 18,700円、80g 26,730円
・SK-II スキンパワー アイ プラス ライン フィラー クリーム 15g 15,400円
・SK-II スキンパワー リニュー エッセンス 30ml 18,150円、50ml 26,950円、75ml 35,750円
・SK-II スキンパワー リニュー/エアリー クリーム トライアルキット 18,700円<数量限定発売>
セット内容:スキンパワー リニュー/エアリー クリーム 50g、フェイシャル トリートメント エッセンス30ml、スキンパワー アイ プラス ライン フィラー クリーム 2.5g

※1:特別な酵母の株から、独自のプロセスで発酵させ生み出した、SK-IIだけの天然由来成分(SK-II独自のガラクトミセス培養液-整肌保湿成分)
※2:シャクヤク根エキス(ハリケア整肌成分)
※3:ヒドロキシケイヒ酸(整肌成分)

ページ移動

過去ログ