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ウルベルクがUR-230は、ホリデーシーズンに合わせて極地仕様で登場する。

今週、ウルベルクはUR-230 イーグルの続編となるUR-230 ポラリスを発表した。UR-230 イーグルは、Cal.UR-7.30にタービンを組み込んだことで注目を集めたモデルである。一見すると、今回のUR-230 ポラリスは新しいカラーリングに見えるかもしれないが、それだけではない。

ムーブメントと時刻表示は非常にウルベルクらしい見た目をしている。象徴的な回転式サテライトコンプリケーションは、3本のアームを備えたカルーセルに回転するブロックを組み合わせ、ダイヤル上のミニッツトラックに沿って現在の時刻を示す仕組みだ。これは、伝統的なワンダリングアワー機構をより複雑に進化させたものと言える。レトログラード式の分針(現在の時刻をフレームで囲む針)が60分に到達すると、次のアームがミニッツトラックのゼロ地点に到達し、針が瞬時にスプリングバックしてそのアームをフレームで囲む。このダイナミックな動作がウルベルクならではの個性を際立たせている。

だが、カルティエスーパーコピー代引きそれだけでは十分ではなかった。UR-230の最大の特徴は、前述のタービンにある。これはアクティブなシーンで発生する衝撃から、時計を保護するための機構として設計されたものだ。裏蓋にあるふたつのノブのうちひとつは、ローターの作動を完全にオン/オフする役割を果たす。つまり理論上、ローターが過度に露出するような激しい環境、たとえば強いGフォースがかかる状況でも、この時計を使用できるというわけだ。もう一方のノブは時計内部に取り込む空気量を調整できる機構であり、ローターに対する可変式のエアブレーキのような役割を果たす。

44.8mm×53.55mmのケース形状は初代モデルと変わらず、DLC処理が施されたチタンとTPTカーボンの層を組み合わせた構造となっている。その無骨なフォルムはまさにウルベルクらしいものであり、台形のシルエットに加えてケース全体に施された数々の角や凹凸、細部の造形が特徴的だ。新たに登場したポラリスでは、保護カバーシールドが取り除かれ、産業的な趣を持つムーブメントが収まった大きなサファイアクリスタルが全面に姿を現した。メカニズム面では、Cal.UR-7.30を気密性の高いチャンバー内に封入し、空気の流入を厳密に制御することで、タービンがその機能を最大限に発揮できるようになっている。

このモデルで最も目を引く変化はそのカラーリングだが、これは単なる新しい塗装ではない。フェリックス・バウムガルトナー(Felix Baumgartner)氏とマーティン・フライ(Martin Frei)氏は、カーボンTPTから一歩進んだ新しい繊維ベースのセラミックを開発・追求した。従来のセラミックケースで見られる、ジルコニウム酸化物のような粉末を高圧成型し、焼結する手法とは異なるアプローチを選んだのだ。従来の粉末セラミックは非常に高い耐傷性を誇る一方で、非常にもろいという欠点があった。ホワイトカラーの時計を求める人々にとっては、コーティングされていないユニークなカラーを選ぶか、テーブルの角に当てて時計を割ってしまうリスクを受け入れるかというトレードオフが常に存在してきたのだ。だがウルベルクはここで妥協点を見つけたようだ。それはガラス繊維で強化された、織り込みセラミックシートの層を使用することだ。ブランドはこの素材の詳細を明らかにしていないが、推測するに、この独自素材はアルミノシリケート系耐火セラミック繊維で構成されている可能性が高い。

この新素材はカーボンファイバーシートに代わる巧妙な選択肢であり、オールホワイトの美しい外観を実現した。ケース内のガラス繊維を結合する樹脂が白い色調を生み出し、ガラス繊維自体はわずかに銀色を帯びているため、外装にメタリックな質感を与えている。見た目にも間違いなく印象的だ。ケースと、主にブラックのムーブメントおよびダイヤルとのコントラストが最大限に際立っている。この時計にはホワイトの加硫ラバーストラップと組み合わされ、全体として産業的かつ未来的な美学を一貫して表現している。

ウルベルク UR-230 ポラリスは35本限定で、価格は15万スイスフラン(日本円で約2575万円)である。

我々の考え
ウルベルクのホワイト系デザインは珍しい。思い浮かぶのは、2020年に登場したEMCタイムハンター “ストームトルーパー”のホワイトセラミックコーティングケースくらいだ。しかしセラミックコーティングは仕上げの長期的な耐久性を必ずしも保証するものではない。もしこの新しいセラミックとガラス繊維の複合素材が十分な耐久性を持つのであれば、ウルベルクがホワイトを今後のラインナップに積極的に取り入れる鍵となるかもしれない。ただしカーボンTPTと同様に、この素材が持つプラスチックのような質感が、潜在的なオーナーをためらわせる要因になるかもしれない。だがそのあたりの詳しい感想は、実際にポラリスを手に取ってからにしたいと思う。

ウルベルクの目を引く時刻表示の複雑機構は、依然としてほかにはない独自の存在感を放っている。しかし、このタービンが設計された過酷な環境にどれほどのオーナーが実際に時計をさらすのかは気になるところだ。特にこの時計の防水性能が30mに限られていることを考えるとなおさらである。結局のところ、このモデルはG.A.D.A.(どこでも何にでも対応する)ウォッチではない。個人的には、巻き上げローターを解除できる機能だけでも、より低価格帯のスポーツウォッチに採用されるのを見てみたいと思う。現時点でこの機能を提供しているブランドは、さらに高価格帯のリシャール・ミルくらいだろう。ウルベルクのよりシンプルなモデルにこの機能が導入されれば、気密チャンバーや制御された空気流入、タービンといった全力のクレイジーさから一歩引いた、手ごろな妥協点となるかもしれない。それにより、ブランド全体のコレクションにさらなる耐衝撃性をもたらすことも期待できるだろう。

基本情報
urwerk soldier shot
ブランド: ウルベルク(Urwerk)
モデル名: UR-230 ポラリス

直径: 幅44.81mm、長さ53.55mm
厚さ: 18.38mm
ケース素材: ホワイトセラミックのガラス繊維複合素材、チタン製ケースバック
文字盤: ブラック
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ホワイトラバーストラップ

ムーブメント情報
キャリバー: UR-7.30
機能: 時・分表示、ローター解除機能、可変式エアブレーキ
パワーリザーブ: 約48時間
巻き上げ方式: 自動巻き(手巻きも可能)
振動数: 2万8800振動/時
石数: 50

ウブロとサミュエル・ロス氏の最初のコラボレーションウォッチが発表された。

ウブロはアーティストでデザイナーでもあるサミュエル・ロス(Samuel Ross)氏と提携したトゥールビヨンウォッチのシリーズ第3弾となるビッグ・バン トゥールビヨン カーボン SR_A by サミュエル・ロスを発表した。ロス氏はファッションブランドであるア・コールド・ウォール(A-Cold-Wall*)や自身のデザインスタジオ、SR_Aの創設者として知られており、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の最初のデザインアシスタントを務めた経歴も持つ。ロス氏とウブロの関係の始まりは、2019年に遡る。この年にロス氏はウブロ デザイン プライズを受賞している。この賞はデザイン界で若く才能ある人物を発掘することを目的に、伝説的なジャン-クロード・ビバー(Jean-Claude Biver)氏が2015年に立ち上げた取り組みの一環である。

ウブロスーパーコピー代引きのデザインのなかでもとりわけエキセントリックかつ爆発的なデザインで、この第1弾はオレンジに彩られたインパクトのある作品だった。この限定モデルは50本のみ生産され、瞬く間に完売した。翌年には第2弾が登場。チタンを素材とし、鮮やかなグリーンがストラップにアクセントとして施された。そして今年、その第3弾となるモデルではブルーが基調色となり、さらにフロスト仕上げのグレーのカーボン素材が採用されている。

デザインの大部分は過去2モデルとほぼ同じである。このシリーズはロス氏とウブロが繰り返し試行錯誤し、洗練を重ねた結果生まれたものだ。そのため、外観においては初期コンセプトの形状がほぼそのまま保たれている。ケース径は44mm、厚さは13.75mmであり、インテグレーテッド型でクイックチェンジも可能なラバーストラップの際立ったデザインが手首を強調する。しかし、その見た目に反して非常に軽量である点も特徴的だ。

closeup of the carbon
ベゼルやムーブメントプレートなどの部品は異なる仕上げが施されたチタンで作られている一方、外装のシェル部分は前述のカーボン素材で構成されている。この素材の選択はデザインに非常にマッチしており、ケースの各所に独自のメタリックパターンを表現している。文字盤(その大部分が欠如しているが)には、自社製のHUB6035トゥールビヨンムーブメントが見られ、12時位置にマイクロローター、6時位置にトゥールビヨンケージが配置されている。時刻表示用のインデックスはサファイア製のセクションに支えられ、あたかも浮いているかのような印象を与える。また、ケースやバックプレートにはハニカム模様が施されており、このデザインはラバーストラップにも引き継がれている。さらにストラップのバックル部分には新たなデザインが採用されている点も特筆すべきポイントである。

ビッグ・バン トゥールビヨン カーボン SR_A by サミュエル・ロスは限定50本となっており、価格は1959万1000円(税込)である。

我々の考え
2022年、サミュエル・ロス氏による最初のトゥールビヨンウォッチが発表された時のことを今でも覚えている。ソーホーに設置されたポップアップストアはHODINKEEオフィスからわずか1ブロックの距離で、ランチの帰り道に偶然立ち寄った。外観は遠くからでもひと目でわかるほど鮮やかなオレンジ色に覆われ、入口の上部にはブランド名とデザイナーの名前が大きく掲げられていた。店内に入ると、オレンジ1色の部屋の中央でその時計がガラスケースに飾られて台座の上に置かれていた。時計に近づくにつれ、従来のビッグ・バンやクラシック・フュージョンとはまったく異なる新鮮な感覚を覚えた。それはまるでコンセプトカーを見るような体験だった。

マイアミでこの新作を直接チェックすることができた。クールだった。

マイアミで開催されたアートバーゼル2024で、ビッグ・バン トゥールビヨン カーボン SR_A by サミュエル・ロスはふさわしい形式で発表された。このイベントに同行する機会があり、サミュエル・ロス氏と直接話をすることで、このパートナーシップについてより深く理解しようと試みた。ウブロは長期的なパートナーシップやコラボレーションにおいて定評があるブランドだ。なかでも村上 隆氏との関係は、間違いなく最も有名で成功した例のひとつであり、それについては同僚のマライカも同意するところだろう。しかしサミュエル・ロス氏の名前は、それとは異なり、よりニッチでメインストリームから外れた領域に属している。ロス氏とウブロの関係は非常に相互的かつ想像以上に密接であるようだ。ロス氏はスイスのチームと共にデザインプロセスのすべての段階に関与してきたと語る。私はロンドンを拠点とするデザイナーがコンセプトやスケッチをスイスに送信し、現地のチームがそれを引き継ぐという光景を、ある意味で無邪気に想像していた。しかし実際にはロス氏がかなりの時間をスイスで費やし、デザインに深く関与しているという非常に異なる現実があった。

ロス氏はナイキやアップル(Beatsのプロダクトデザインを手がけた)といったパートナーとの仕事を通じて、ウブロとのコラボレーションでどのようにアイデアを忠実に具現化するかを学んだという。どの部分に力を入れ、どこで妥協するべきか、そのバランス感覚を身につけたそうだ。より実務的な観点では、最初の時計を製作する段階でコンセプトを明確に定義したことで、以降のリソースを改良や洗練に割り当てられるようになった。彼は“3.0”で採用された新しいバックルのデザインについて、多くの人には気づかれないだろうが、形状、寸法、フォントの配置をわずかに変更しただけでもメーカーとしては新しい(そしておそらく高価な)工具が必要になったと語っている。この話から、多くの大手時計ブランドがブレスレットやバックルのようなパーツの改良に時間を要する理由が理解できる。理論的には簡単に思えるが、最終的に収支のバランスシート上でその正当性を証明することが、プロセスの停滞を招く原因なのかもしれない。

さて、時計に話を戻そう。先述したようにSR_Aとのコラボレーションは、ウブロにとってコンセプトカーのような存在だ。自社製トゥールビヨンムーブメントはブランドの前衛的なコンセプトを体現するのに適しており、このケースデザインのアバンギャルドな性質にも非常によく合っている。3バージョン目となる今回でも、デザインは依然として新鮮さを保っていると感じるし、ロス氏がブランドと共に新しいアイデアや素材を探求している点も、この時計の魅力のひとつだ。これらの試みが将来的にはより手ごろなモデルにも応用されることを期待している。

ウブロの最大の強みのひとつは、多くの時計コレクターに批判されることがあっても自分たちのやり方を貫き、業界内で独自性を保っている点だろう。この時計もその哲学を体現している。もし私が今15万ドル(日本円で約2300万円)を持っていたとしても、この時計を購入するかと聞かれれば答えはNOだ。しかしそれは重要ではない。これまでのふたつのモデルは完売しており、今回のバージョンも同様の結果になるだろう。時計ブランドが時計を売ることを責められる筋合いはないのだ。

基本情報
side shot of watch
ブランド: ウブロ(Hublot)
モデル名: ビッグ・バン トゥールビヨン カーボン SR_A by サミュエル・ロス
型番: 428.NQ.0100.RX.SRA24

直径: 44mm
厚さ: 13.75mm
ケース素材: チタン、フロスト加工を施したグレーカーボン
文字盤色: グレー、およびサファイア
インデックス: アプライド
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ダークブルーのラバーストラップ(交換用としてブラックのラバーストラップ)

ムーブメント情報
キャリバー: 自社製キャリバー HUB6035
機能: 時・分表示、トゥールビヨン、マイクロローター
パワーリザーブ: 約72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 26

過去ログ